相続対策でよく使われる養子縁組とは(メリット編)2015.10.27
相続税の基礎控除額を増やしたり、法定相続分の無い人に遺産を相続させたい等の理由から、孫や子どもの配偶者等と養子縁組を行いたいと言う話は昔からあり、相続対策の常套手段として使われてきました。
しかし、養子縁組にはメリットもあればデメリットもありますので比較してみましょう。
実は、養子縁組の手続きは簡単です。
「養子縁組届」を市役所などに提出するだけです。
養子が15歳以上なら当人同士の意思だけで手続きができます。
15歳未満でも親権者の同意があればOKです。
もちろん養子と実の親や親族との関係は継続されます。
養子となった者は養親と実の親、双方の子であるということです。
実は、ここを気にされている方が多いです。
また、簡単な手続きなんですが、士業の方に頼むと結構な金額を請求されますので注意してください。
まず、養子縁組のメリットは。。。。。
一番のメリットは養親の財産を「法定相続分」または遺言がある場合には最低でも「遺留分」を相続する権利を持てることです。
また、相続税の基礎控除額や死亡保険金や退職金の非課税額は法定相続人の人数で計算するので子が増えれば相続税の課税対象額が減るメリットがあります。
そうすると資産家はこう考えます。
『ならば、子ども達の配偶者と孫達全員を、養子にしてしまえ~』
たくさんの養子を迎え入れるのは民法上はOKですが、税法上は制限があります。
なぜなら、過度の節税を防ぐために法定相続人に含む養子の数は、実子がいれば『1人』まで、実子がいなければ『2人』までという制限があります。
その他の相続人への優遇規定である、例えば、障害者控除や未成年者控除は養子であれば全員適用可能です。
また、孫を養子にするのでなければ『相続税の2割加算』が適用されず、2500万円の特別控除がある相続時精算課税を行い、多額の贈与を無税で行うことができるメリットがあります。
さらに、養子が不動産を登記するときに課せられる登録免許税も軽減され、
不動産取得税も非課税で済むメリットがあります。
一見、メリットしかないように思われますが、
しっかりとした考えを持ち行わないと多くのデメリットに遭遇してしまいます。
次回はそのデメリットをお伝えいたします。